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ワイン輸入販売EC・法人受発注の二軸基盤を刷新し、受注業務工数を月80時間削減
ワイン輸入販売EC・法人受発注の二軸基盤を刷新し、受注業務工数を月80時間削減
Eコマース
Ecommerce

ワイン輸入販売EC・法人受発注の二軸基盤を刷新し、受注業務工数を月80時間削減

個人向けオンラインワインクラブと飲食店・ホテル向け法人発注システムを並行運用するワイン輸入販売企業。膨大なワイン固有データの管理と二軸のチャネル運用が絡み合う複雑な課題を整理し、基幹システムの全面刷新と受注自動化を実現した。

Client
ワイン輸入販売 F社
Industry
Ecommerce
Period
2026
Tech
Eコマース / 基幹システム

背景と課題

ワインの輸入販売を手がけるこの企業は、一般消費者向けのオンラインワインクラブと、飲食店・ホテル向けの法人専用受発注システムという二つのチャネルを持ちます。日常使いから希少なオールドヴィンテージまで幅広い価格帯を取り扱い、関連商材としてワインセラーやグラスウェアも販売しています。

急速な事業拡大の陰で、以下の課題が長年積み重なっていました。

  • ワイン固有データの管理難:生産者・ヴィンテージ・アペラシオン・葡萄品種など、ワイン特有の属性情報が多岐にわたり、既存システムに収まりきらない項目をスプレッドシートで補完する運用が常態化
  • B2C/B2Bの在庫競合:一般消費者向け在庫と業務用在庫を同一倉庫で管理しながら、二つのシステムへ手動で在庫数を反映していたため、売り越しが繰り返し発生
  • 法人発注システムの老朽化:ソムリエや仕入れ担当者が使う法人向け発注画面は10年以上前に構築したもので、スマートフォンに非対応。外出先から発注できないという声がレストラン側から上がっていた
  • 季節性ピーク時の処理遅延:年末・バレンタイン等のギフト需要集中期に、一般向け注文と法人からの大口注文が同時に押し寄せ、バックオフィスが機能不全に近い状態に

「このままでは自社ブランドワインの累計販売本数が増えるほど、運用が壊れていく」という危機感からXECINへご相談をいただきました。

XECINのアプローチ

単純なシステム置き換えではなく、「B2CとB2Bで何が共通で何が異なるか」を最初に整理することを提案しました。ヒアリングを重ねると、在庫・商品マスタは共有しながら、注文フロー・価格体系・出荷ルールがチャネルごとに大きく異なることが明確になりました。

  • 業務分析:受注から出荷までのフローをB2C/B2B別に可視化し、重複作業と手動介在ポイントを特定
  • データ設計の見直し:ワイン固有の属性(ヴィンテージ・アペラシオン・評価点等)をファーストクラスのデータとして扱えるよう、商品マスタスキーマを再設計
  • 段階リリース:既存業務を止めないよう、B2C側の受注連携を先行リリースし、安定確認後にB2B発注システムを刷新する2フェーズ構成を採用

実施内容

体制

  • XECINからプロジェクトマネージャー1名、バックエンドエンジニア2名、フロントエンドエンジニア1名、インフラエンジニア1名を担当
  • クライアント側の業務担当者(B2C・B2B各1名)と週2回の定例ミーティングを実施

技術領域

受注連携の自動化(B2C)

自社ECサイトおよび外部モールからの受注データをリアルタイムで取り込むデータパイプラインをAWS上に構築。ギフトラッピング指定・温度帯指定など、ワイン販売特有の付帯情報も正確に連携します。

  • AWS Lambda + EventBridgeによるイベント駆動の受注取り込み
  • Pythonで各チャネルのレスポンス形式を正規化する変換レイヤーを設計
  • エラー通知・自動リトライ処理により取り込み漏れをゼロに

法人向け発注システムの刷新(B2B)

飲食店・ホテルのスタッフがスマートフォンから直感的に発注できるレスポンシブWebアプリを新規構築。業種・取引規模別の価格テーブル適用や、掛け売り・締め請求などの法人特有の会計フローにも対応しました。

  • フロントエンド:React + TypeScript(SP対応レスポンシブ)
  • バックエンド:Python(FastAPI)
  • データベース:PostgreSQL(RDS)

在庫一元管理

B2C・B2B・ワインセラーなどの関連商材を含む全SKUの在庫を単一の在庫マスタで管理。注文確定のたびに各チャネルへ自動反映し、売り越しを根本から排除しました。

商品マスタのリッチ化

ヴィンテージ・生産地域・アペラシオン・葡萄品種・評価スコアをネイティブな属性として管理できるよう商品マスタを再設計。既存のスプレッドシート補完運用を完全に廃止しました。

インフラ

  • AWS ECS(Fargate)によるコンテナ運用で、年末・バレンタインのギフトピーク時も無停止対応
  • CloudWatch Logsによる障害監視とアラート設定

成果

システム移行後、バックオフィス業務は大きく改善されました。

  • 受注処理のリードタイム:従来の数時間→最大5分以内に短縮
  • 売り越し件数:月平均5〜6件 → ゼロ件
  • 受注・在庫業務の工数:チーム全体で月約80時間削減
  • 法人発注システムへの問い合わせ(操作方法):月20件超 → ほぼゼロ(スマホ対応で現場スタッフが迷わず操作)
  • 商品マスタのスプレッドシート補完:完全廃止

「ピーク期でも普通に業務が回るようになった。法人担当者からも『スマホで発注できるようになって助かる』と言ってもらえた」とご担当者から喜びの声をいただきました。

継続支援

現在は月次の運用レポートをもとに、パフォーマンス改善と新たな販売チャネル追加対応を継続中です。事業拡大のたびに発生するワイン属性の拡張要件や、新規取引先への対応にもスピーディーに動ける体制を維持しています。