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車種適合データ管理の刷新と基幹システム途中参画支援
車種適合データ管理の刷新と基幹システム途中参画支援
製造業
Manufacturing

車種適合データ管理の刷新と基幹システム途中参画支援

国産・輸入車を問わず数百車種に対応するカーボンシート系製品を製造販売する企業の基幹システム刷新プロジェクトへ途中参画。膨大な車種×施工部位の適合データ管理と、施工店向け卸チャネルの在庫連携が絡む複雑な要件を整理し、スケジュール通りのリリースを実現した。

Client
自動車カスタマイズパーツ製造販売 H社
Industry
Manufacturing
Period
2025
Tech
製造業 / 途中参画

背景と課題

この企業は、自動車の内外装に貼り付けるカーボンシート系製品を中心に、国内外の幅広い車種に対応したカスタマイズパーツを製造・販売しています。取り扱い車種数は国内最大水準を誇り、国産メーカー全社に加え欧州輸入車まで対応する製品ラインナップが競合との差別化ポイントです。

販売チャネルは、自社ECサイトを通じた一般消費者向けの直販と、全国の施工代理店への卸販売(法人BtoB)の二本立てで運営しています。

こうした事業構造ゆえに、既存の基幹システムは複数の深刻な課題を抱えていました。

  • 車種適合データの管理がスプレッドシート依存:製品ごとに「どの車種のどの部位に適合するか」を記録した適合表がExcelで管理されており、新型車発売のたびに担当者が手作業で追記・確認する運用が続いていた
  • 適合漏れによる返品・問い合わせ:Excelの更新ミスや転記ミスが原因で、適合しない製品が受注されるケースが年間を通じて発生し、返品対応と顧客対応の工数が増大
  • 施工店在庫と直販在庫の競合:卸用の引き当て在庫と自社EC用在庫を同一システムで管理できておらず、欠品・過剰在庫が繰り返し発生
  • プロジェクト中盤でのリソース不足:上記課題を解消するための基幹刷新プロジェクトが進行中だったが、担当エンジニアの離脱とスコープ拡大が重なり、リリース期日直前に開発リソースが深刻に不足

「残工程は山積みで、このままではリリースが間に合わない」という状況でXECINへ緊急の支援依頼が届きました。

XECINのアプローチ

途中参画で最も難しいのは、プロジェクトの文脈を短期間で把握しながら即戦力として動くことです。特にこの案件では、自動車業界特有の「車種×グレード×年式×施工部位」という多次元の適合データ構造を理解することが、開発全体の前提知識として不可欠でした。

  • ドキュメントレビュー:設計書・議事録・課題管理票に加え、既存の車種適合マスタ(Excelファイル数十本)を読み込み、データ構造の全体像を把握
  • PMOとしての介入:要件の曖昧な部分(特に施工店向けと直販向けの在庫引き当てロジック)を洗い出し、ステークホルダーへのヒアリングを設定。優先順位の再整理を支援
  • チームへの溶け込み:既存開発チームのSlackチャンネル・スプリントミーティングへ即日参加し、摩擦なく協働できる体制を早期に確立

実施内容

体制

  • XECINからPMO担当1名、エンジニア3名を派遣
  • 既存チーム(社内5名)と合同でスプリントを運営

技術領域

主な担当は車種適合マスタ管理モジュールの刷新と、施工店向け受発注システムとの在庫連携APIの新規開発でした。

車種適合マスタのデータ化

Excelで管理されていた車種×施工部位の適合データをデータベースに移行し、製品登録画面から適合情報を構造化データとして入力・検索できる仕組みを構築しました。新型車追加時もExcel修正なしで、画面操作のみで完結する運用に切り替えました。

  • バックエンド:Java(Spring Boot)によるREST API開発。適合データの登録・更新・検索エンドポイントを設計・実装
  • 車種マスタ設計:メーカー・車種名・グレード・年式・施工部位の多次元構造をリレーショナルDBで表現するスキーマを設計

在庫連携APIの新規開発

施工店向け卸チャネルと自社EC直販チャネルの在庫を単一の在庫マスタで管理し、注文確定時に自動引き当てするAPIを実装しました。

データ移行

旧システムのOracleデータベースから新システムのPostgreSQLへの移行スクリプト作成・検証。車種適合データを含む約120万件のレコードを無停止で移行完了。

テスト・ドキュメント整備

  • 単体テスト・結合テストの計画策定と実施。カバレッジ80%以上を維持
  • API仕様書(OpenAPI形式)・車種適合マスタの運用手順書を作成

PMO支援

  • 週次ステアリングコミッティ向けの進捗レポート作成
  • 課題管理・リスク管理表の運用改善
  • リリース直前の最終チェックリスト策定と確認作業の仕切り

成果

プロジェクト参画から約4ヶ月でシステムをスケジュール通りにリリース。

  • リリース期日の遵守(遅延ゼロ)
  • 車種適合ミスによる返品・問い合わせ件数:移行後ほぼゼロ(Excelの手動更新運用を完全廃止)
  • 在庫管理業務の処理時間:旧システム比 約40%短縮
  • データ移行:約120万件のデータを無停止で移行完了
  • リリース後の重大障害:ゼロ件

「途中から入ったとは思えないほど動いてくれた。車種データの複雑さも最初から理解して進めてくれたので助かった」とご担当者から評価をいただきました。

継続支援

リリース後も引き続き保守・運用チームとして関わっています。新型車発売のサイクルに合わせた車種マスタ追加対応や、ECサイトの車種絞り込み検索のパフォーマンス改善を継続中です。